堅い体について解説

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あなたの体は堅くはありませんか?

日本人の立位体前屈平均は戦前で14.5cm、現在は6.2cmであることを、文部省が発表しています。このように、なぜ日本人の体は硬くなったのでしょうか?

仮説1. 高齢化社会(しかし、年をとったから硬いというわけではありません)
仮説2. 体型(しかし、太っていても体の柔らかい人はおります)
仮説3. 関節の変化(個人差は殆ど無く、問題は筋肉にあります)

1つの関節には2つの筋肉が対になるように存在し、一方が収縮するともう一方は力を抜いて、リラックスして伸ばされる相反した働きがあります。

ある大学病院の教授は、体が硬い理由として、筋肉コントロールシステムが機能していないことをあげております。運動量の低下により筋肉の動きをコントロールする神経ネットワークが、退化・単純化しているということであります。

立位体前屈での筋電図実験では、体が柔らかいAさんは、腹筋の収縮に対し大腿ニ頭筋肉が十分リラックスしていたそうです。一方、体が硬いBさんは大腿ニ頭筋肉がリラックスせず、反対に収縮しようとしていたそうです。しかし、AさんとBさんの普段の運動量にほとんど差はなかったそうで、この差の原因がなんと、神経ネットワークが最も発達する、8~9歳にかけての運動量が問題だったのだそうです。Aさんは大自然のなかで日が暮れるまで外で遊ぶ生活をおくっていたそうで、Bさんはテレビゲームなどで遊び家の中で過ごすことが多かったそうです。

戦前と現代での違いは、畳からイスに生活が変わったことで毎日の筋肉への刺激が少なくなりました。また、エレベーターやエスカレーター、リモコンの普及で日常生活内での運動量が低下したことも要因のひとつであります。

体が硬い事による弊害として、疲れやすい体質になる、血行が悪くなる、骨が脆くなる、免疫力低下などがあげられます。
筋肉を動かすとき筋肉内にあるグリコーゲンを分解し、燃えかすとして残る疲労物質である乳酸が溜まりやすくなります。また、血液を心臓に戻す静脈弁という筋肉の収縮する力が少なくなり、足のむくみや冷え性になります。
骨は骨を作る骨芽細胞、骨を壊す破骨細胞により常に新しくなっておりますが、硬い人は刺激が減るため働きが鈍くなり、骨の密度が低くなります。さらに骨髄で作られる白血球の数が減って、病気しやすく回復もしにくくなってしまうのであります。

一度退化した神経ネットワークは二度と復活できませんが、筋肉を意識的に動かすことで新たなネットワークを形成できるのであります。

お風呂上りのストレッチ運動や足踏み・屈伸運動、エスカレーター等を使わず階段にするなど、無理なく負担を掛けずに、筋肉を刺激を与えるよう心がけると健康になることができるのであります。その一つの方法としてマッサージなどの理学療法も有効なのであります。

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